あなたと私は違うんです。~その1~
先日自宅の本を整理していて、不要な本が出てきたので、売ろうと考えたんです。
売ると言ってもいわゆる大型古本屋に言って引き取ってもらうのではなく、ネットで売りさばこうという考えです。
その中で一冊、どうしようかな、というのが出てきたんです。
本のタイトルは伏せますが、2000年代初頭にベストセラーになったビジネス書です。もうおそらくブックオフなどでは108円で売られているでしょうし、Amazonの中古品市場でも1円(実際はそこに送料が257円プラスされるんですが)。
今更私が売りに出したところでどうなのかなぁ、普通に古紙回収に出せば早いんじゃないかなぁ、とおもったのです。
だがしかし何を間違ったのか、それを売りに出すことにしたわけです。しかも送料込みで300円。最安値ですらありません。
ブックオフなら108円、kindleで買えばすぐに読めるこの代物を、中古で300円で売るというのは正気の沙汰ではありません。
いったい買う人いるんかな・・・。
待つことほんの数日。なんと売れてしまったんですね。正直なんで売れたのかはよくわかりません。
ただこれでわかったのは、自分の価値は絶対ではないということ。あなたが考える価値と私が考える価値は違うということ。
私にとって、いやそれどころか、私が思う「他人にとっての価値」と本当の他人にとっての価値って全然違うんですね。
私にとっては「ほかの人にとってはせいぜい108円」と思っていたものに、その人は300円の価値をつけたわけです。
だとすれば、私が考えている「いやぁ、これは他人にとって価値あるんかなぁ」ということが、誰かにとっては値段をつけてくれるということなんですね。
ちょっと整理します。
①自分にとっての価値
②自分が思う「他人にとっての価値」
③他人が思う「その人にとっての価値」
①と②が違うというのは誰でもわかると思います。
自分はこの本を必要としていないけど、誰かがこの本を必要としてくれるという話はあるよね、ということです。
ところが今回の話はそこではありません。②と③が違うということです。
①として私がつけた値段は0円です。私にとってはもう不要なので。
②として私がつけた値段は108円です。これくらい出せば手に入るからです。
ところが③として今回買い手がつけたのは300円です。
いや、本当は値段設定は私が適当に「うーん、300円くらいにしとこうかな」って言ったのが始まりで、周りの値段に合わせて「いやぁ、この値段だとさすがに誰も手が出ないっしょww」なんて思っていたのです。
それでも300円で売れたということは、その買い手はこの本(正確にはこの本を手に入れるまでの過程。発送とかもろもろ含めて)に300円の価値を認めたということですね。
このことから学べることは本当はたくさんあります。今も私はこれについてぐるぐる頭をまわしています。
ちょっとヒートダウンさせましょう。この続きは次回。