プロフェッショナルのただ働き問題の話をしよう
私の周りにはサラリーマンではなく、一人のプロ(ここでは個人事業主のこと)として生計を立てている人がそこそこいます。
例えばコンサルタント、あるいはカウンセラー、トレーダーなどですね。
で、たまにこういう人がいます。
私のある友達は「友達なんだからちょっと相談のってよ」とか「手助けしてくれよ」とか言ってくるけど冗談じゃない。こちとらプロフェッショナルじゃ。ここまでくるのにお金も労力もかけとるんじゃ。それなのに、それを無視してタダでやってもらおうなんて失礼にもほどがあるんじゃないか。
彼らの言い分には一理あるのでちょっと説明しておくと、プロフェッショナルになるにはたいていの場合先行投資が必要になります。それを回収するために、あるいは報酬。対価としてお金をいただくのは当然です。それを踏みにじる行為は許されません。
この考え方は多くの人から認められています。
その上であえて一言言いたいと思います。
その人が自分に対して何か有益なことをしてもらえる見込みはないのでしょうか?
例えばあなたはマッサージ師。そしてあなたには友人がいます。その人は料理のレシピを考えるのが得意で、一方の私はそういうのが全くダメ。でも私は今日はちょっといい料理を作らないといけない。いったい何を作ればいいんだろう?
そんなときにその人が私を頼ってきた。「あなた、マッサージが得意だったよね。ちょっと昨日から肩が痛くて………。」
そうなったら、お互い得意なことを使えばいいのです。あなたがマッサージをやる代わりに、友人に簡単でちょっと豪華なレシピを教えてもらえばよいのです。そうすればお互いハッピー。
あるいはその友人に貸しを作っておくのも手です。あとで回収したことで回収しましょう。
つまり、価値の交換はお金でなくてもよいのです。相手が差し出せるものがお金でなかったとしても、あなたにとって価値があるもので等価だと思えるものなら、何でもよいのです。
ただ単純に、お金は価値を将来に保存しておくのが簡単なので用いているだけで、そうでない手段でもよいのです。
逆に言うと、「お金を払わないとは何事か」というのは、相手が差し出すもので価値があるのはお金だけ、ということです。別に悪いわけではないです。ただあなたにとって、相手はその程度の人というわけです。
だからこそ、親しくもないお客さんからはお金しか受け取れないよね、だってそれ以外の価値があると信頼されていないからです。
差し出せるものはお金だけとは限りません。情報、モノ、経験、技術、サービス。これらも相手がほしがれば全て価値のあるものです。そう考えれば、より視野が広くなり、丸く収まるのではないでしょうか。